同じタイミングで同じ言葉を言った僕たちの間に目には見えない何かが通じ合った。
まさか莉子も同じ大学を狙っていたなんて。
ちょっと鳥肌が立った。
そして嬉しくなった。
蓮に天体観測を勧めても蓮は「嫌だ」の一点張り。
理由を求めたら「首が痛くなる」とふざけた内容だった。
それから蓮には天体観測を勧めていない。
星の素晴らしさを分かち合える仲間が今までいなかった。
でも莉子は初めて出逢った分かち合える仲間だった。
それが妙に嬉しくて軽くテンションが上がった。
「すげぇ!まさかそんな偶然ってあるなんて!」
「偶然じゃないかもよ?」
莉子は目を細めて笑う。
そんな彼女の笑顔に吸い込まれそうになった。
どくん、とうるさい心臓。
「偶然じゃないならどういうこと?」
僕は莉子から目が離せなかった。
莉子の口元ばかり気になって、生唾をごくんと飲んだ。
そんな時。
「…流星くん、先生が呼んでるよ」
後ろから声が聞こえてきた。
この声は、奈緒子だ。


