でも莉子の言葉に信じることができなかった。
なぜならば莉子が病気だなんて思える要素が無かったから。
見るからに元気そうだし、だって歌を歌えるくらい度胸もあったし、一体どこが人より違うのだろう。
「病気?」
「うん、そうなの。忘れないように覚えているうちに色々メモしてるの。」
「へぇ…そっか…」
それ以上何も言えない。
そこで掘り下げて聞くことはしたくなかったから。
僕は別に莉子が病気だろうが何だろうが関係なかった。
莉子が生きているのなら、
息をしているのなら…
隣にいるのならそれだけで十分だった。
莉子が覚えてなくても僕が覚えていればいいだけのこと。
「あのさ、今朝言ってたことだけど、流れ星の話は誰からに聞いたの?」
莉子の横顔を見て聞くと莉子は嬉しそうに頷いた。
「うん。好きな人が教えてくれたの。」
痛い、何だこれ。
心が何だか痛く感じた。


