僕の思考回路は停止した。
何故彼女はこんなにも唐突なのか。
「知ってるもなにも…」
その言葉は僕の名前の由来だから。
そう言ったらキミはどんな反応をするだろうか。
だけど今はホームルーム中。
きっと驚くはずだからやめておこう。
「ちょっと待ってね。ノートに書かないと忘れちゃうから」
莉子はペンを持ち僕の名前をノートに書いた。
何故そんなことをするのか、ちょっと疑問に思ったが莉子を知れば知るうちに彼女の中に眠った過去に触れることとなった。
先生が連絡事項について話しているとき、莉子は小さな声で何度も僕の名前を読んだ。
「流星、流星?流星…流星」
「さっきから何回呼んでるの?一回だけで十分聞こえてるよ。」
「忘れないように。流星っていう名前素敵だと思うの」
「ありがとう。だけど用もないのに呼ばないでよ。」
「用があったら呼んでもいいの?」
いや、そうじゃなくて。


