この世界は残酷なほど美しい



停学一週間かな。
それが妥当だと思う。


立ち上がり先生の方に向かう。



「何ですか?処分のこと決まりました?」



「あぁ、決まったよ。」



そして先生は僕にある書類を渡した。
それは先ほど職員室で見た転校生の書類だった。



「…へ?」



「停学は無しだ。その代わりこの子の面倒を見ろ。」



「えっちょっと待ってよ。嫌だよ、面倒見るくらいなら停学にしてよ」



「ダメだ。お前の意見は一切聞かない。口答えしたら希望大学の推薦は取り消されると思え」



…それって脅迫じゃないですか。
教師が生徒に脅してもいいんですか。
だけど希望大学の推薦が無くなるのは絶対に避けたい。
停学となったら推薦にも不利なことは分かっている。


でも何で俺なんだよ。



「人のことが分からないのなら人から学ぶしかないんだ。流星なら絶対に大丈夫だ」




「……根拠は?」




不服そうな表情で俺は先生に問い詰めた。
すると先生は白い歯を出して笑って言う。



「長年の教師の勘だ」




…ふざけるな!と心の中で叫んだのは秘密にしておこう。