この世界は残酷なほど美しい



何故殴ったのか答えは無かった。
自分でも分からなくなってきた。


僕はポケットからiPodを取り出してイヤホンをはめる。
そして音楽を流した。
窓から空を見上げる。


今日の空はムカつくくらい蒼かった。

だけど落ち着いた。


ちらりと奈緒子の方に視線を向ける。
さすが優等生。
熱心に先生の話を聞いていた。

そして奈緒子に言われた言葉を思い出す。



「私にとって大事な人だから…か。」




それは何故?どうして?
今まで関わりなどなかったのに。
いきなりこんなことを言ったのは何故だろう。


やっぱり人間は時に難しい。
人の心を覗ける道具があったらいいのに。
誰か作ってよ。
そうしたら僕が第一消費者となるからさ。



体を机に伏せて目を閉じる。



「…安野莉子…」



彼女は突然現れた。
そして僕の中を颯爽と駆け巡って行った。


僕は彼女に逢えて良かったと思う。