神様にとっては私の願いなんかちっぽけなただの紙切れにしか思っていないかもしれない。
だけど私の願いはどうしてもあなたの力を借りなきゃ無理な気がするの。
もし神様の近くに美羽お姉さんがいるのなら、神様を説得してほしい。
私に流星くんと逢わせて。
「私、流星くんと逢いたい」
涙を流しながら春さんに言うと春さんは視線を足元に向けた。そこはひんやりと冷たい真っ白い床だった。
「もし流星に逢ったら…昔と変わらない態度で接してもらえないかな…。」
「どうして?」
あの日、美羽お姉さんが亡くなった日。
失ったものはお姉さんの魂だけではなく…
「あの日から流星は昔の流星ではなくなったんだ」
流星くんの幼い心もだった。
昔の流星くんでは無くても逢えるだけで幸せだと、この時は強く思った。
そして運命の日を迎える。
私は見事清秀高校に合格した。


