この世界は残酷なほど美しい



あの手紙をお姉さんは読んでくれただろうか。


そしてお父さんが退院すると、すぐに両親の離婚が成立し、私は他県へと引っ越すこととなった。
遊びに行くと言ったのだがまだ幼い自分には出来ないと思うと早く大人になりたくて仕方なかった。
それに大人になったら流星くんとまた逢えると思ったから。


美羽お姉さんから預かっている日記を私は一度も中を開けたことがない。
これは他人の私なんかが見ていい物ではないからだ。
お姉さんが流星くんへ託した想いを横入りして見ようだなんてそんな最低なことはしたくない。


神様が私たちを逢わせてくれる。
そんな気がした私は星空を眺めてはいつも流星くんのことを考えていた。




時が過ぎていく。
中学三年生の頃、あの時住んでいた場所へ帰ってくる機会があった。
それは受験会場の下見だ。
私は清秀高校を受験しようと決めていた。
理由はただあの制服が着たかったから。
それと、この学校があの病院と近かったから。