この世界は残酷なほど美しい



私は一度躊躇った。
そんな責任感のあることを任されるほど私は人間できていないから。



「…でも…もし!もし逢えなかったら?その時はどうするの!?」




「逢えなかったら捨てていいよ。でも私は逢えると思うから…だって流星と奈緒子ちゃん、とってもお似合いよ」



逢えるという根拠は?
もし逢えなかったらお姉さんの想いが無駄になってしまう。
そんなの嫌だよ。



「お願い、奈緒子ちゃん。奈緒子ちゃんしか頼める人がいないの。」



お姉さんを見上げるとそこには真剣な表情をしていた。
瞳の奥から私を見つめるように、その視線は熱かった。



「…約束、守れるか分からないけど…頑張ってみるね」



私はそれを受け取る。



「ありがとう、奈緒子ちゃん。これは流星には秘密だからね」



中指を立てて笑顔を見せるお姉さんを見たら自分で勤まるか不安だったけど「これで良かったんだ」と納得する自分もいた。


純白の絵も何もない無地のノートはお姉さんの想い全てが詰まっていたんだ。