この世界は残酷なほど美しい



「美羽お姉さん?遊びにきたよ」



「あら、こんにちは、奈緒子ちゃん」



お姉さんの笑顔を確認すると私も笑顔を向けて姉さんに近寄る。
太陽の光で照らされたお姉さんの姿は何だかうっとりするくらい綺麗だ。



「お姉さん、何してたの?」



「うん、日記を書いたの」



デスクの上には確かに日記が置いてあった。
お姉さん、日記を書いていたのか。
そんな驚くことではない。
私もたまーにだけど日記を書いているから。



「今日七夕祭りだね。お姉さんも行くよね?」



「お姉さんは行けないかなぁ。体調が良くなくて…」



ちらりと腕が見えた。
点滴のついたそれはやはり細かった。
以前の美羽お姉さんじゃないような気がして怖い。



「……そうかぁ。残念…あのね、お姉さん、もう逢えなくなるかもしれないんだぁ」




「え?どうして?」




「お父さんが月曜日に退院するの。だからもう病院には来れなくなると思う…」