流星くんと出逢ってから何度も何度も夢の中に彼が出てきた。夢の中の彼はいつも同じだった。
一緒に星の折り紙をしたときの風景だった。
でも彼は…笑ってはいなかった。
どこか悲しそうでそれでも一生懸命折り紙をしていた。
私は何も言えないままずっと見てるだけ。
それが苦しかった。
起きると現実の世界に引き戻されて、それは夢だと気づかされる。
ホッとする自分と悲しむ自分が葛藤していた。
「奈緒子ちゃん、今日は病院で七夕祭があるのよね?」
「あ!!うん!忘れてた!」
そうだ。
本当の七夕は1週間後なのだが、病院の七夕祭は今日なのだ。
危ない、危ない忘れてた。
昨日流星くんに行くと約束したから。
あれから流星くんとよく遊ぶようになった。
折り紙をした日、美羽お姉さんの病室に訪れると「ありがとう」と言われた。
ちょっと歯がゆかったけど、嬉しかったのを覚えている。


