この世界は残酷なほど美しい



勝手な空想だけど、星って銀色だと思うの。
金色でもかっこいいと思うけどやっぱり銀色かな。
理由は…分かんないけど。



「僕、銀色好きなんだ。だから色鉛筆とか銀色がすぐ無くなっちゃうの」




そう楽しそうに笑う流星くん。
心のどこかで私は願った。
いつかあなたの銀色になりたいと。



「じゃあ教えるよー」



私は腕捲りをしてお姉さんに教えてもらった星の折り方を丁寧に流星くんに教えた。
流星くんはのみ込みが良くて一度教えただけでマスターしていた。
それから幾つも星の折り紙をし、ベンチの周りはたちまち夜空と化した。




「わーすごいね!星がこんなにたくさーん!」



「奈緒子ちゃんが教えてくれたからだよ。ありがとう」




「ううん、美羽お姉さんのおかげだよ。」




その時後ろから流星くんを呼ぶ声が聞こえてきた。




「あ!お父さんだ!奈緒子ちゃん、また遊ぼうね。これ今日のお礼。僕が一番はじめに作った星」




流星くんの手に収まるほどの星は私が今まで見てきた星より何十倍、何百倍、それ以上に…

輝いていた。