数ある折り紙。
私は小さい頃からある折り紙を使うことをとても嫌がった。
その折り紙とは銀色の折り紙。キラキラと輝くそれは私にとっての宝物だった。
だからそれを使うことなんて無かったし、きっと一生使わないのだと思っていた。
「私は…えっと」
赤、黄色、緑、水色、黒、白。
…あ、銀色。
目があってしまった。
まだ一度も使ったことのない銀色に。
「奈緒子ちゃん、何色にした?」
「え…と。その…じゃあいっせーので!で出そ?」
本当は気づいていた。
流星くんの折り紙の色。
指先からちらっと見えたんだ。
その色は。
流星くんのせいだよ。
あなたが私の一番を盗んだんだよ。
あなたとのお揃いが欲しかったんだよ。
「いっせーのーで!!」
私が出したのは、あなたと同じ色の…
「あっ一緒!銀色!」
キラキラ輝く銀色。


