あの頃の私はとても無邪気で。あなたの笑顔が見たいと必死になっていた。



「私ね、美羽お姉さんからお願いされてきたの。」




「お母さんから?」




「そうなの!だから一緒に折り紙しよう!」




私はスキップをしながら男の子に近づく。
彼は少し戸惑って見せたが、しばらくして「うん」と笑顔で言った。



「名前はなんていうの?」



「坂井流星。キミは?」




「流星くんかぁ。かっこいいね!私は奈緒子。よろしくね」




差し出す右手。
流星くんも私に右手を出した。繋がる手と手。
そこには間違いなく温もりがあった。


この頃の私は“流星”という名前のことなど特に気にしてはいなかった。
だけど成長するにつれてその名前が彼にとても似合ってると気づいた。


坂井流星。
この日から彼が私の特別となった。




「さぁ!まずは折り紙を選びましょー」




きっとね、偶然かもしれないけど。
だけどね、信じさせて?




運命はあるってこと。