この世界は残酷なほど美しい




「だから坂井先輩のおかげです。ありがとうございます」



「ううん、こっちこそ大事なことを教えてもらったよ。二人とってもお似合いだよ。幸せにね」




「はい!じゃあ…私はこれで」



彼女は僕に一礼をして足早にそこを去って行った。
そして向かった先はグラウンドだった。
丁度サッカー部の練習が終わったのか、彼女は彼のいる場所へと真っ先に向かって行き、肩を並べて校門をくぐった。


僕には見えないけれど二人の間にはしっかりと恋が芽生えていて、それを育んでいくと愛になる。
可愛らしい二人を見ていたら何だかこっちまで嬉しくなった。


「努力…か」



莉子を振り向かせようと僕は努力をしているだろうか。
ふと疑問に思ったが僕は僕のスタイルで莉子の傍にいれたらそれでいい。



努力すればいつか報われる。



努力するって悪いことじゃないね。