この世界は残酷なほど美しい



そこには笑顔の二人の男女が写っていた。
そんな二人が可愛くて微笑ましい。



「同じクラスの子なんですけど…私が一生懸命なところを見て好きだって言ってくれたんです。それって坂井先輩のおかげだと思うんです。私が努力してなかったら今の幸せは無かったと思うから…」



「でも…それは…」



僕のおかげなんかじゃない、と言いかけたとき、彼女は小さく首を横に振った。




「努力すれば必ず報われる。この言葉を私は信じてなかった。だけど今は信じられる。努力する自分を誰かがちゃんと見ていてくれる。努力って何だか面倒だし、面白くないって思ってたけどすごくかっこいいことなんだなぁって!」




満面の笑みで笑う彼女に夕陽がゆっくりと照らした。
それが舞台に立つ主人公に見えてちょっとだけ心が揺れた。


努力するということは恥ずかしいことかもしれない。
だけど何かに夢中になって、何かをやり通せば結果がついてくる。
自分が努力をしている時、きっとそれを見ていてくれる人は必ずいるから。


そう彼女は僕に教えてくれた。