この世界は残酷なほど美しい



天文学部には興味がある。
だけどやりたいことが分からない。


莉子と二人で語った日のことを思い出す。
河原、チョコレート、オーストラリア、エアーズロック。


僕は何にも興味が湧くことなくただ平凡に過ぎていくのではないかと思うと“つまらない人生”だなと思った。

だから正直嬉しいとは思わなかった。
楽な方法だと思った。
だけどそんな楽していいのかと心の中の自分が訴えた。
頑張ったからD判定からB判定になったわけで。
このまま推薦の話に乗ってしまうと今までの努力が消えてしまうと思った。



僕は先生にこう質問をする。



「もし、これが父さんだったら…父さんはどんな答えをだすかな?」




「雅だったら…か。アイツは常に美羽が中心だったからなぁ。雅はきっと美羽のいる将来を思い浮かべてその道を真っ直ぐ突き進むんじゃないのか?雅が進路希望のときに言った言葉が凄く印象的だった」




「父さんは何て言ったの?」





「美羽の笑った顔をずっと写真で撮っていきたい、だ。」