駅に着き、学校に向かって歩いていく。
グラウンドを丁度歩いていると前の方で一人で歩く莉子の姿があった。
艶やかな黒髪を揺らして歩いている。
髪の毛一本一本が愛しいと思うくらい、胸は大きく高鳴った。
「蓮、僕はちょっと莉子と話してくる」
「あ、じゃあ俺、花音のクラス行ってくるから。ごゆっくり~」
蓮は僕から離れていった。
僕は小走りで莉子の場所に行く。
莉子と会うのは告白した以来だ。
だからこんなにも緊張しているのか。
だけど、一秒だけでいいから。
莉子の瞳に映りたいと思う。
「おはよ、莉子」
「あ…流星…」
莉子は僕の姿を確認するとすぐに目を逸らした。
やっぱり莉子は遠慮をしているのだと思う。
でも僕は絶対に身を引いたりしない。
どこまで成長するか見たいから。
僕はこれからも昇っていく。
「莉子、僕は莉子のことがやっぱり好きだよ。でもね、返事はまだいい。」
「流星……」
「僕にもう少し余裕が出来たら答えをもらってもいいかな?」
答えを聞くとき、僕は笑っているだろうか。
泣いているだろうか。
だがそんな僕もかっこいいと思うんだ。


