自分が成長したと思うと普段と変わらない日常がこんなにも眩しく感じるなんて。
今まで僕が見てきた世界が錆びれすぎていたと思うと何だか脱力感に襲われる。
だけど結果的にプラスになったのなら問題ない、とそう思わせて欲しい。
「昨日、ヒカルさんと話せて良かった。父さんに対する気持ちが少しだけ変わったよ。」
「そっか。何か今日の流星、生き生きしてるな」
「どういうこと?いつもは死んでるってこと?」
眉間に皺を寄せて蓮を睨むと蓮は白い歯を見せて大きく笑った。
「いつも流星は何考えてるか分かんないし、毎日つまんなさそうだったから心配してたんだ。だけど今日の流星はいつもと違うなって思ってさ。これ、褒め言葉だぜ?」
「蓮はそんなに僕のことを…」
「いや、流星は二番だ。一番は花音に決まってるだろ」
知ってるよ、冗談だよ。
そんなに真に受けないでよ。
僕にだって…
一番な人はいるのだから。


