メモ書きをそっとテーブルに置いて僕はリビングのカーテンを開けてベランダに出た。
今日の月は満月だった。
真ん丸な月は今にも落ちそうなほど暗い夜空によく映えていた。
「いつか見つけ出すから…」
母さんの星を。
見つけることが出来たのならどうか優しく光ってください。
僕はその時笑ってみせるから。
この日は何だかぐっすりと眠れた。
いつもは2時間おきぐらいに目が覚めてしまうけれど今日は朝までぐっすりだった。
今までの誤解が無くなったからだろうか。
リビングに飾ってある父さんの写真たちを今までは受け入れることが出来ずにいた。
だけど朝それを見たら「父さんって凄いんだな」と思った。
昨日の僕は今日の僕と少し違っていた。
そう自分でも分かるくらい、こんなことを言うのは恥ずかしいけれど…
絶好調な気がする。


