きっと母さんはこれを望んでいたんじゃないかなって思うんだ。


今の僕、人間らしいでしょ?



「珍しいな、お前が両親のことを聞いてくるなんて。客室で話そうか」



靴を脱ぎ揃えてからヒカルさんのあとを追っていく。
ちらりと玄関を見ると女物のローファーが置いてあった。
きっと花音が遊びに来ているのだろう。
僕は気にも止めずに客室に向かった。



「で?何が聞きたい?」



座り心地のよいアンティークなソファーに向かい合って座る。ヒカルさんの真っ直ぐな視線が出そうだった言葉を詰まらせた。


何て聞けばいいのだろう。
何て言えばいいのだろう。

重い口をゆっくり開いていく。



「ヒカルさんは…母さんの日記がどこにあるか分かりますか?」




「美羽の日記?流星が持っているんじゃないのか?」




「僕は持っていません…最近日記の存在を知りました。春さんが教えてくれたんです」




「俺はてっきり流星が持ってるのだと思ったなぁ」