この世界は残酷なほど美しい



学校に着き、下駄箱で靴を履き替えていると後ろから誰かに抱きつかれた。
慌てて後ろを振り向くとそこには花音がいた。



「わービックリした。花音抱きつく人間違えてない?」



「……流星、ありがとうね」



花音は顔を埋めて小さくこう言った。
僕はあれから蓮に花音とどうなったかはあえて聞かなかった。蓮は自分で決めると思ったし、僕が横からごちゃごちゃ言う資格など無かったから。


蓮が決めことに否定するつもりも無かったし、もし新たな道を進むと決めたのなら応援するつもりだった。


蓮は花音と仲直りをし、いつもと変わらない関係に戻ったようだ。

だけど前より二人の愛は強くなった気がした。




「花音、蓮が怒るからもう離して?離さないと襲っちゃうぞ」


笑いながら言うと隣にいた蓮が「やめろ」と本気になって言った。


僕たち三人は笑いながら教室に向かった。


何だか久しぶりの教室。
中に入るとすでに莉子がそこにいた。


昨日ぶりの莉子。
チョコレートを半分ずつにして食べたことをまだ鮮明に覚えているよ。