星たちで溢れた部屋を出て洗面所に向かう。
鏡に写ったのはやはり冴えない僕だった。
「おはようございます。
酷い顔ですね。」と心の中で挨拶をした。
冷水は僕の体を少しずつ働かせていく。
完全とはまだ程遠い自分を引きずりリビングに行くとそこにはソファーに座りコーヒーを飲む父さんがいた。
エスプレッソマシーンは父さんの宝物。
宝物と言ったら大袈裟かもしれないが、結構高かったらしい。
こいつを何度が壊してやろうかと試みたが実行出来た試しがない。
もし壊したら父さんはどんな顔をするのだろうか。
あ…でも父さんは怒らないだろうな。
僕が何をやっても怒ったことは一度だってない。
「流星、おはよう」
父さんの挨拶には無視をし、日課となっている朝一の牛乳をグラスに注いだ。
そしてそれを一気飲み。
腰に手を当てて飲む姿はさすがに18歳の青年には見えない。
笑えるよ、自分でも。


