この世界は残酷なほど美しい



心の中で「絶対だよ」と呟き、再び夜空を見上げる。
今こうして莉子の隣にいられるのは父さんがくれたチョコレートのおかげかもしれないな。



「流星は人生の意味を知っていますか?」




「え?いきなり何?」



「人生ってね、誰かのために生きるから人生っていうの。坂井雅さんが雑誌でそう言ってた」



「へぇ……そうなんだ」



いきなり何でこんなことを言ったのだろう。
さっきまでのハイテンションな自分がどんどん消えていく。
僕は生えていた草をぎゅうっと握り靴に視線を落とす。
随分と汚れた靴がどこか泣いているように見えた。




「流星は…誰のために生きたいですか?」




…そんなの分かんないよ。




「じゃあ逆に莉子は誰のために生きたいの?」




反撃開始。
だけど聞かなきゃ良かった。