「ふふ、そうだね。誰かに好きになるってそれくらい偉大ってことだよね。じゃあ両想いになったら?」
『超高速スピード並みだろ。』
そう言うと蓮は大声を出して笑っていた。
変わらない僕たちの関係にどこかで安心をしていた。
冗談を言い合って、冗談大きくしていって、最後には笑って。
そんな些細な幸せを僕は逃がしたくないと思った。
「僕はとりあえず莉子の傍にいるよ。莉子の気持ちがある以上なにも出来ないしさ」
『そっか…まぁ何かあったら言えよ!流星の気持ち大事にな』
「うん…ありがとう…じゃあ…」
また明日。と言おうとしたとき、母さんの部屋から物音が聞こえてきた。
僕は慌てて体を起こし、物音が聞こえた方に耳を傾けた。
「蓮、また明日!!」
蓮との電話を切りおそるおそる母さんの部屋に近づくと、そこには人影があった。
大きな荷物に本棚の前で立ち尽くす…
「父さん?」
父さんがいた。


