きっと蓮に嘘をついたってすぐにバレてしまう。
それに蓮には素直に全てを話したい。
聞いて欲しいんだ。
僕が初めて経験したこの感情を。
「……うん、蓮にはバレちゃうんだね」
『やっぱりなぁ。だと思ったよ。だって流星が俺ん家に来たとき病院で安野を見たって言っただけなのに部屋飛び出してさぁ。あんな一所懸命な流星初めて見たよ』
あの時の僕はどうしても莉子の傍に行きたくて。
だから部屋を飛び出したんだ。そっか…蓮にはそんな僕が一所懸命に見えたんだ。
新鮮な自分を知れて何だか嬉しくなった。
『で!流星はどうすんの?』
「どうすんのって言われても莉子には好きな人がいるし…僕は何も出来ないよ」
『それ、もったいねぇよ。伝えたい人がすぐ近くにいるんだから伝えなきゃ意味ねぇだろ。誰かを好きになるってことはすげぇことなんだぞ』
「例えるなら?」
僕はふて腐れたようにボソッと呟き、こてんと体をソファに預けた。
『地球が逆回転するくらいすげぇってこと!』
蓮くん、例え方上手いじゃないですか。


