…一体何が起こったんだろう?

…自分のすべてを否定されるようなことを自分はしてしまっていたのだろうか?

…僕はこれからどうしたらいいんだろうか?

そんなことが頭の中をよぎる。まだ4月の半ばの事だ。

必死に働く毎日の中で、何かがぷつんと僕の中でちぎれた。

気がつくと帰り道の山道の急カーブに車で突っ込もうとしていた。

…僕は朦朧とした意識の中、死のうとしていた。

はっと我にかえった。

…このまま死んだら何も伝えられない。

…せめて最後に家族の声が聞きたい。


気がつくと家族に電話をしていた。

『もしもし?』

父親の声が聞こえた時だった。
僕の胸の中に悔しさと悲しさが一気にこみあげてきた。

…何か伝えたい。

「…自分ってそんなにダメな人間なんかなぁ?」

…涙が止まらない。

…悔しい。

…苦しい。

それ以上もう言葉なんてでない。
自分のすべてを否定されてしまった今、どうしたらいいのかもう分からない。

父親はきっとただならぬ異変を察知したのだろう。

『そこで待ってろ。いいな、絶対に死ぬなよ!』


…そこから後の事は全く記憶がない。
気がつけば自分の家で、みんな心配そうにこっちをみている。
事のすべてを話したらしいのだが、記憶がない。


家族に見守られ、その日は生きることができたが、明日はやってくる。
この日ほど明日がこないでほしいと願った日はない。


完全にお局に嫌われてしまっている現状。
もしかしたら誰か相談にのってくれるかもしれない。
そんな淡い期待ももったりした。


…だが、現実はそう甘くはなかった。


…そう、僕の地獄の日々の始まりである。