あたしは所詮、浮気相手であって本命の彼女は他にいたはず。


木村さんはその彼女とあたしを間違えている。


「あたしは、彼女ではありません!浮気相手です。」


「は?」


浮気相手なんてフレーズを聞いて固まるのも無理ない。


「あたし、もう終わりましたので、お先に失礼します!」


フリーズしたままの木村さんを置いて、社員通用口に向かった。


まったく…
転勤そうそう、トシの話なんてしないでよね。