「お疲れ様〜」


そんな声が響くオフィスに、木村さんと二人で残業。


お願いだから、トシの話はしないで欲しい。


そんな願いは叶わなかった。


「市川さんだっけ?何でトシと別れたの?」


「へっ??」


唐突な質問に声が裏返る。


「トシ、凹んでたぞー」


木村さんの言葉を疑わずにはいられない。


別れたかったのは、トシのはず…


話の内容が見えて来ない。


「あのー木村さん、勘違いしてませんか?」