久しぶりに、実家へと帰った。

執事と家政婦が一列に廊下に並んでいた。

「葵様、ご結婚おめでとうございます。」

皆一斉に言った。

明日が結婚式。

・・・これで良かったんだよね。

あたしはあたしの道を進んだ。

あたしと昌はそれぞれの道を歩んだ。

いいの、これで。

「・・・ありがとう。」


・・・明日か。

あたしの大切なものはなんだろう?

・・・分からない。

あたしは何のためにここまでした?

・・・昌の幸せの為・・・?

でも昌はあたしといることが幸せだとしたら?

・・・分からない。

じゃああたしは何?

・・・分からない。

誰の為にやってるの?

・・・家族。

どうして家族の為にそこまでするの?

・・・大切だから。