ジリリリリリ……


けたたましい目覚ましの音で、悠希は重い瞼をなんとかこじ開けた。


カーテンの隙間からは明るい日射しが差し込んでいて、軽やかにさえずる小鳥の声が、依然として睡魔と戦っている悠希の耳をくすぐった。



朝かぁ……。



眠い頭でぼんやり考えながら、手に触れた違和感に悠希は我知らず首を傾げる。


あれ、と思いながらゆっくり視線を手元にやると、そこに散らかるのは、ノートや教科書。



それらの意味するところはつまり。



定期テスト、なわけで。



突き付けられた現実に、まどろんでいた悠希の頭は一気に覚醒した。



「やっばーい!!!!」



泣き出しそうな悲鳴を上げて、突っぷしていた机から悠希は勢いよく飛び起きた。


7月初旬、梅雨の中休みのある日。


水野悠希(ミズノユウキ)はテスト最終日を慌ただしく迎える羽目になった。