「わしも所詮臆病者ってことじゃよ」
そっか…。
じじいも私と同じだったんだな…。
知るのが怖かった。
だから尋ねてみる勇気が出なかったんだ…。
「わかった。ありがとう。私、行ってみるよ」
「うむ…」
「でもその前にこのホコリをどうにかしてからだけど」
「んなもん門下生にやらせておけ」
「じじい!あんたは生徒を何だと思ってんだ!!」
「いいですよ掃除くらい。俺がやりますから」
おおう…。
相変わらず真面目だなぁソラくんは。
銀髪に切れ長の目、容姿はちょっとあれだけど、根はとっても真面目なのよねソラくん。
でもなんかちょっと雰囲気変わったかも?
「そう?じゃあお任せしていいかなソラくん」
「ええ。大丈夫です。でも、あの」
「ほら、稽古の邪魔じゃすみれ。さっさと受けとって行かんかい」
「うっさいじじい!!言われなくても行くわよ!!」
じじいから邪険にされ道場を出た私は、紙切れに書かれていた住所へと向かった。