うわっ!
ちょ…!
すごいホコリなんですけど!!
どんだけ掃除してないのよ!!
まだ稽古してる生徒だっているんだからー!!
「ふむ。あったぞ」
は!?
何が!?
そう言ってじじいがホコリの中から出てきた。
手にしていたのは古ぼけてボロボロになった一枚の紙切れ。
「そこに書いてある住所に行ってイブという女性を尋ねてみるのじゃ。生憎わしは実の娘のことを何にも知らんのでな。彼女なら椿がどんな人生を歩んだか知ってるはずじゃ」
「その人、母さんの友達か何かなの?」
「たぶんな。わしも昔一度しか会っとらんからようわからんが」
「その時に母さんのこと、聞こうとしなかったの?そのイブさんとやらに」
「その時のわしにはムリな話じゃったな。
気持ちが落ち着いたらここに来て下さい。椿のこと、お話しますから…と言われてその紙を受けとったのがもう20年以上も前の話じゃ…」
20年以上も前って…!
その間、尋ねようとは思わなかったの?


