『課長サン、命清のこと掴まえとくことしかできないとか何とか思ってんじゃないの?』









水山の的を得た言葉に俺は反論ができなかった。





確かにそうだ。






俺があいつにしてやれることといえばそれしかない。





そばに置いておく以外には何もできない。










『課長サン、そんだけでいいんだって。
だって、命清が何も言わないんだからさ。あたしたちはそれ以上知ることができないじゃん。それ以上何もできないんだよ。
だってあいつの問題だからね。あいつが解決するしかないんだよ』



「ずいぶん水山さんはすみれに厳しいんだね」



『ま、出会いが出会いだったしね。
でも心配はしてる。
だから課長サンに頼んでんじゃん。命清を一人にすんなって。
じゃ、そんなわけだから―――って、うっさいなあんたはさっきから!!―今電話中だっつってんでしょ――は!?相手誰ってなんでそこまであんたに報告しないといけないんだよ!―――うるさい仕事しろ!――!』






最後は全く聞き取れず、ブツッとそのまま電話が切れた。