「いつって、父さんが事故に遇ったその日に母さんも車に轢かれて…。私を産んだ後息を引き取ったそうです。そう、じじい…えっと、祖父から聞きました」



「そんな…!そんなの…そんなのあんまりだわ…!!あの日に…椿さんも亡くなっていただなんて…!!あぁ…!!私、私…彼女になんてことを…!!…ぅああああ…っ!!」






さっきとは比べものにならないくらい会長は震え上がり泣き叫んだ。








「ごめんなさい!ごめんなさい…!!」






泣きながら謝罪の言葉ばかり口にした。





えええ?



何これ?



わたしが泣かせた風になってんじゃんっ!?




何なんですか一体!?



そんなに謝られても困るって言うか、何に対しての謝罪なのか全く分からないんですが…。







「あの、えっと、私にそんな謝られても困るというか、その、私、何がなんだか…っ」



「……っ、ええ…そうよね…ごめんなさい…!本当に…貴方にもつらい思いをさせてしまって…っ。
…私の知る限りのことをすべてお話しするわ。私があの二人にしてしまったことも含めてすべてを」






涙を拭いながら八王子会長は語り始めた。









命清 椿と八王子 柾。




この二人が織り成した、すみれいろの恋語を。