「…しかしこう見るとお前は父親似だな」
課長がそう呟いた。
そうなんだ。
私、母さんにはあまり似てないなーと思ってたけど、父親似だったんだ。
この童顔も、癖のある髪も。
もしかして伸びない身長もそうだったのかな?
「そうね。確かに貴方を見た瞬間、目を疑ったわ。息子に…柾にそっくりだったから。でもさっきの行動を見る限り性格は椿さんにそっくりよ。よくそう言われないかしら?」
いや、だから言われるも何も…。
ていうか会長、まさか、知らないのかな?
話がかみ合わない私たちに気づいた課長が徐に尋ねた。
「…あの、会長たちはご存じないのですか?」
「え?何がかしら?」
「すみれの母親…椿さんが亡くなっていることを…」
「な、亡くなった…!?椿さんが…!?そ…そんな…っ!!一体いつ…!?」


