「あの…それで、私に何かあるんでしたよね?話とか…」





耐え切れずに私から会長たちに質問した。



何でもいいからこの空気から脱したいんだよこっちは。







「そ、そうね、そうです。貴方に話が…。でも、その…どこから何を話せばいいか……」



「…初めから素直に話そう。イブ夫人もおっしゃっていただろう?私たちがこの子に話さなければ。その義務がある」





義務?



だから何の話ですか?





八王子会長はようやく決意を固めたらしく真っ直ぐ私の目を見据えて告げた。









「すみれさん。貴方はご自分の父親のことを椿さんから何か聞いていますか?」






え?



父親?



つか聞くも何も母さんすらいないのに聞けるわけもないじゃん。







「いえ。私は何も知りません。父親が誰かも、母がどんな想いで私を産んだのかも…」







唯一知ってることは私が生まれたこの日に二人とも事故で亡くなったことくらい。



じじいもそれ以上教えてくれなかった。