…幸せになれていた?



本当に?






…ううん。



違う。



私はまた事実から目を逸らしてる。





知聡は私のせいで、私を守るためにいじめを受けていた。





それを救ったのは紛れもなくあいつだ。




利用することが目的だったとはいえ、知聡を救ったのは事実だ。




私は知聡の気持ちどころか、知聡がいじめられていたことすら気がつかなかったのに。





…これじゃあ、このままじゃ、あの時と同じだ。




わたしはまだ何一つ変わってない…-!!









「すみれ!?どこ行くんだ!?」






八王子専務の後を追って私も会場を飛び出した。