「それより社長、パーティー開始までまだ時間がありますよね。少しだけ席を外してもよろしいでしょうか?」
「うん。いいよー。ゆっくりどうぞー」
「すみません。少し失礼します」
社長の承諾を得てパーティー会場を出る。
はぁ…。
何か息が詰まるんだよなあの会場。
どこもかしこも妙に煌びやかで。
八王子専務の嗜好だそうだが、金持ちの趣味はわかりかねる。
このままトンズラしたいところだがそうもいかねぇしな。
一服して戻るか…。
喫煙室を探してエレベーターホールに出たところで俺は意外すぎる人物と出くわした。
「あれ?課長サンじゃん。あ、今は常務サンだっけ?」
「…どうも、水山さん」
すみれの友人、水山 守風がなぜかここにいた。
てかすごい衣装着てんな。
まさかこいつもこのパーティーに呼ばれてるのか?
一体この娘何者だよ?