どんなに頑張っても答えが生まれなかった。
手を繋いで笑顔を向けてた理由を…知りたい。
私に飽きたなら飽きたって言ってほしかった。
嫌いなら嫌いだって素直に言ってほしかった。


ただ、それだけの事だったのに…。


期待し過ぎてたのかな?
自惚れ過ぎてたのかな?
隼にとっての私は何だったのかな?


教えてよ…。
私だけが知らない“真実”を…。


「俺の話、聞い…――――」

「ねえ…」

「…何?」

「教えてよ。本当の事」

「分かった、全部…話すよ…」
涙ながら言った私に返って来たのは全ての真相だった。
もしかしたら大家さんの話で心の準備をしていたのかもしれない。


皐は話し始めた。
隠された、本当の、真実を…。



――隼は由香里が隼の学校に行く、ずっと前から言われてたんだ。


「私と付き合ってくれないなら、あの女を徹底的に傷付ける」
そう言った由香里の目は怒りに満ちていて正常ではなかった。


凛ちゃんが傷付く事を誰よりも嫌だと思った隼は仕方なく、付き合う“フリ”をしたんだ。


由香里はどう思ってたかは知らないけど隼は由香里と本当に付き合ってるつもりはなかった。
単なる由香里の自己満足に過ぎない行動だった。
だけど要求はエスカレートしていくばかりで…隼は凛ちゃんとの時間を削らなけれならなくなって。


でも凛ちゃんを優先したくても出来なかったんだ。
理由は簡単。
由香里からの脅しがあったから。


優先順位を変えなければ凛ちゃんが危なかったんだ。