「大変だっ!」
ファミレスで突然、悠が言い出したのは夏休みが終わる二日前の事。
丁度、私がオレンジジュースを口に含んでいる時だった。


焦り気味の悠に隼が何事かと思い、驚いた表情で「どうした?」と聞くと悠は大きく溜息を吐いた。


「俺さ、」
かなり落ち込んでいるように見える悠。
さすがの私も只事ではないと判断し、オレンジジュースを置いて悠に耳を傾けた。


「俺……」

「何かあったのか?」

「………」

「実は…な?」

「どうしたんだよ?」

「………」

「俺、俺……」

「うん?」

「悠、何があったの?」

「……宿題終わってねえ!」

「………」

「………」

「やばい!まじでやばい!」

「………」

「………」

「え、やばいよな!?どうする!?俺!!」


真剣に聞き入ろうとした自分が情けない。
私も隼も同時に呆れたように大きく溜息を吐いた。