教室からは声が漏れていた。


「だからァ…」

「いやそれはないっしょ」


どうやらクラスの男子が残っているようだった。反射的に嫌だなぁと思い、ドアを開くのをためらっていると…


「赤木さんってさー」


ミホの事だ。


「なんでいっつも地味なヤツといんのかな?」


…え?


「あー確かに。ハデな子たちとつるんでりゃ、こっちも近づきやすいのになぁ。」

「わかる。俺超タイプなんだけど。」

「誰だっけ?地味な方の名前」

「えっと確か…桜…ざわ…?」


体がビクンとした。


「まぁそんなヤツどうでもいいかー」


まさか…影でこんな事を言われていただなんて…。


もうこれ以上聞きたくなくて、涙をこらえその場から逃げた。