「うっ、うん、少し…」


本当は少しじゃない…。


心臓がバクバクいってるもん。


本当は凄く不安…。


私は何も覚えていない…から。


学校のこと、クラスのこと、友達の事だって何にも覚えていないの…。


そんな私をクラスのみんなは受け止めてくれるのか、

どう思うのか不安で、怖くてしょうがないんだ…。


「大丈夫だから、心配すんなって。俺もいるし、香菜ちゃんもいるしな。

クラスのみんなも優しいし、みんなお前が来るの待ってるんだからさ」


「本当?」


「あぁ、だから大丈夫だよ」


「うん」