「望月、それ、どういう意味?」
「先生だ、先生」
望月先生は、芝居かがった咳ばらいをした。
「見て分からないか?
この学校に、女の子が一人だ」
……でしょうね。
改めて、あたしは逃げたくなった。
「この学校の男ときたら…どうだ、桐生」
「喰いますね」
ニコッと笑う桐生君は、サラっと恐ろしい事を言った。
「だろう?」
それを笑顔で同意する先生も、どうかと…………
………って!
あたし食べられちゃうの!?
バカなあたしだって、それがどういう意味か分かるに決まってる!
やっぱり、子羊!?
……あたしの人生……終わった。
「そこでだ、桐生」
……先生の話は続いていた。
「お前達に、彼女の身を守ってもらいたい。
もちろん、見返りとして……」
先生……
そこは目を輝かせる所じゃないと思いますが。
「成績を5くれてやろう!」
「まじ?」
「あぁ。
さらにプラスして…
俺の授業なら、遅刻しても構わない!」
「さすが望月」
…………えっと。
あたし……
成績5+無断遅刻許可>あたし
泣いてもいいですか…?
あと……
学校自体に問題があると思います。
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