「騙した…?」
「まぁよく騙されたよなぁ、お前ら」
「……………」
「あー…心奈?」
「…なによ」
あたしちょっと怒ってるんだからね。
あたしの素っ気ない声に、桐生君は頭を掻いた。
せっかくの綺麗な髪が、少し乱れる。
「お前さ」
「…うん」
「今のアドレス気にいってた?」
「……はい?」
急すぎる話の展開。
あたしは思わず、足を止めた。
「どうなんだよ」
少し怪訝そうに振り向く桐生君も、足を止めた。
「どうって……なんで?」
「約束したもんは仕方ねーからな」
約束…
あぁ、そっか…
「やっぱりばらまくんだ…」
この人プライバシーってものがない。
「で、どうなんだよ。
アドレス、気にいってるのか?」
何でそんなこと聞かれなきゃならないか分からない…
桐生君には関係ないこと。
「気にいって…るけど、そろそろ変えようかなって思ってた」
嘘だ。
アドレスを変えるつもりなんてなかった。
ただ…
「そうか。
それは都合いいな」
桐生君がその言葉を求めていたような気がして…
「じゃあ、アドレス変えろ。
その後に前のアドレス、アイツらに教えるから」
「うん」
「できるだけ前のと変えろよ
「うん」
ほら、なんかちょっと嬉しそうな顔する…
何か、あたし変…
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