「…鍵」
「あ?」
「桐生君、鍵持ってるの?」
「持ってねーよ」
………はい?
寮に繋がる廊下を歩きながら、桐生君は気になる発言をした。
「じゃ、じゃあ、どうするの…?」
「何が」
「部屋の鍵だよっ」
まさか…
自分の部屋の鍵がないからって、隣のあたしにー…
「あ、あたしの部屋には絶対に入れないからっ」
「…は?
よく分からねぇ妄想してんじゃねーよ」
「し、てないっ」
「本当か?」
「ほ、本当!」
ジーッとあたしを見る桐生君に、ドキドキしてしまう。
な、なに…っ?
もしかして、あたしの顔に何かついてる!?
「ぷっ…
先着順なんだよ、ここの寮」
「へ…?えと、先着…順?」
「あぁ。
その部屋に入ったもん勝ちだ」
“アイツら本当バカだよな”
笑いながら言う桐生君。
…知っていたんだ。
「じゃあ、別にあそこに関わらなくても…」
「あぁ、余裕でいけたけど?」
「……………」
なんだ、この余裕な顔は…
,

