「…よし、俺は手を引く!
代わりに334号室にする!」
「ずりーぞ、俺もだ!」
「俺も!」
あっという間に、新たな闘争を作り出してしまった。
その闘争の原因を作った本人は、あたしの隣で自慢げな顔をしている。
「隣の部屋になってやっただろ」
「…あたしのメアド」
「何でも言うこと聞くんだろ」
「だからって…!」
それとこれとでは、話が違うと思う!
第一、あたしのアドレスが7組中にばらまかれたら、プライバシーってものがない!
「何でもするんだったよな…」
「も、もう聞いたっ!
だから、その話は終わり!」
「は?俺、何か言ったっけ」
「あたしのアドレスばらまくじゃん」
「…そういうことかよ」
フッと笑った桐生君の手が、あたしの髪をくしゃくしゃにした。
「ちょ、何するー…」
「日曜空けとけ」
「へ…?」
「破ったらお前の部屋侵入してやるからな」
「なっ…!」
そう言って、桐生君は笑っていた。
なんだかさっきとは違う…
優しい……?
「用は済んだから、部屋行くぞ」
「え、あ、うんっ」
………気の所為?
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