「桐生君、お願いっ!
争奪戦参加して!」
「はぁ?
無理だって言ってんだろ」
「な、何でもするからっ!
ねっ?お願い!」
「“します”は?」
「お、お願いします!」
勢いよく頭を下げたあたし。
これで、争奪戦にー…
「やってらんねー…」
「え…?でも、桐生君…」
「俺は、争奪戦に参加するなんて言った覚えなんてない」
「じゃあ…っ」
また騙された!
“お願いします”まで言わされたのに!
本当、この人は!
思わせ振りも大概にー…
「335号室、桐生 恭也」
嫌なくらい響くアイツの声…
教室の闘争もぴたりと止まってしまうから、実は凄い奴なのかも。
…なんて。
「335号室。
手を引いた奴には、コイツのメアド教えてやる」
「なっ…!?」
あたしを餌にしやがった…!
なんて卑怯なんだ!
「よく考えてみろ。
コイツと四六時中一対一でメールができるんだ。
隣の部屋だからって、会えるのは学校にいる時と変わらねーぞ」
「むむむ…っ」
「桐生、お前…」
迷い始める男達。
それを満足そうに見る桐生君。
…恐るべし!
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