「あれ見ろ、あれ」
「え?」
桐生君が指差した方向を見る。
「どうしたの?け、喧嘩っ?」
教卓の前に群れる男達。
ホームルーム…じゃないよね?
「お前の隣の部屋の争奪戦」
「え?あたしの?」
「335号室。隣だろ?」
「あ、うん」
今にも殴り合いが始まりそうなー…
あ、あの人…な、殴った!?
一人の拳から、気付けば教室中で罵声と共に拳があがっていた。
何がそんなに魅力的なんだろう…
もしかして、夜景が綺麗とか?
他より部屋がちょっと広いとか?
そしたら、あたしの部屋も…
「あたし、部屋の鍵返して来る!」
「は?」
隣で目を丸くする桐生君。
だって、あたしの部屋も候補に入れば、こんな闘争しなくていいはずだもん…
「じゃあ…」
「お前バカだろ、絶対」
「ば…っ!?バカって何よ!」
「部屋じゃねーよ、アイツらが欲しがってんのは」
…はい?
それはどういう…?
溜め息をついた桐生君があたしを見る。
変態だし、バカって言うし、本当はムカつくのに…
つい見とれちゃうから悔しい。
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