「簡単にキスされてんじゃねぇよ」
「だ、だって、あれは不ー…んんっ!?」
「ま、これでチャラな」
………は?
なに爽やかな笑み浮かべてんですかね?
ほっんとあんたって奴は…っ!
唇に柔らかい感覚を感じたのは、ほんの一瞬。
…でも、何をされたか分からなくない。
「最っ低!」
「じゃあ、もっかいしとく?」
「ば、バカじゃないの!?
そんなの結構だからっ!」
「冗談だ、バカ女」
「は?バカ?あたしがバカ!?」
「他に“バカ”な女なんて、俺知らねーし」
きいいいいっ!
ほっんとに!
むかつく奴!
「ったく、幼稚だな」
「はぁ!?誰が幼稚ー…って」
……あれ?
「へ……誰?」
…そこには初めて見る男がいた。
「…失望したよ、日向 心奈サン」
「だから、誰…?」
見知らぬ人に失望される意味が分からない……
「…なんだよ、長友」
「恭也、そう睨むなって。
ほら、彼女も怯えちゃってるだろ?」
「あのー…?」
あたしは…無視ですか?
目の前には“長友”と呼ばれる男。
すぐ隣には、今にも唸り声が聞こえてきそうな桐生君。
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