「簡単だよ」
そう言って、早瀬君は逆の手で、早瀬君の手を掴むあたしの手を掴んだ。
そして、フッと笑った。
ドキッー……
「そのままってこと」
「…え?
そのまー……っ!?」
あたしは、一瞬にして唇を奪われた。
気付いたら、早瀬君の顔は離れていて…
眼鏡の奥の瞳は、妖しく笑っていた。
「ごちそうさま、日向さん」
「なっ…!!!」
言葉が出ない…っ!
「ちょっ!何やって…慎治!」
「ナルナル顔赤ぁーい。
いいなぁ、ここちゃんと僕もキスしたいー」
ただでさえパニックだったのに、もはや会話も不可能なくらいに焦る成瀬君。
…あたしも、きっと顔赤い…
「まぁ、危険なのは“こっち”だと思うよ」
たぶん、“こっち”とは普通クラスのこと。
「知能的に動かれるより、本能的に動かれた方が楽でしょ?」
言っている意味が分からない…
「そっちは一クラスしかない。
3人もいれば充分でしょ?」
「……?」
「…あ、でも」
そう言って、また妖しい瞳は笑った。
「…恭也は別、だよ」
「…なっ、なに!?」
「大丈夫だって。
もう何もしないよ」
そう言って、あたしに近付いて来る早瀬君。
目が……
絶対何かあるんですけど…!
“恭也は、本能も知能も備わりすぎだからね”
「えー…?」
耳元でコソッと囁かれた時…
あたしの体は、後ろから強く引かれた。
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